(後付)
ここ一週間の間、さまざまな出来事が次々に、俺に起こった。
まず引越し。
小荷物は、荷物を沢山積める(?)妻の車を使って、日を掛けてこまめに新居に運んでおいた。
新しく購入した家具・家電は既に、運び込まれている。
大きなテーブルセットが食事室に堂々と置かれている。
二階の寝室つきウォークインクローゼットには、半端婚礼家具のたんすが鈍く光って鎮座していた。
乾燥機能付き洗濯機はやはり、というべきか、今回は見送った。
薄型テレビだけを買った。
我が家も人並みのテレビ視聴環境が整ったわけである。
世界の亀山モデルである。
DVDとサラウンドシステムとのセットにして、専用テレビ台が付いている。
黒いテレビ台は漆器のような光沢を持ち、こまめに拭き掃除せねばならないが、美しい。
引越し業者に頼むべき物は、重くて大きな家具・家電ばかりだ。
3人の作業員がやってきた。チームのリーダーは女性である。残りの男たちは素直に彼女の指示に従うのだ。
彼女は何と、60キロはある金庫を一人で運ぶことができた。
俺は「女の人が・・・!」と感嘆した。男たちは「誰も(彼女を)女と思ってないですから」と冗談を言った。
気風の良い姐さんといった感じの女性であった。
手際の良さに感心している間に、作業は終わった。
小荷物を開け、片付け開始。
やがて、妻の母が到着。
ぐるりと見回って、新築の祝いの言葉を述べた。
まさか、嫌味は言わないだろうと予想していたが、祝いの言葉に少し驚いた。俺も軽く、感謝の言葉を述べた。
妻と義母と娘が、当座に入用の細々したものを買出しに出た。
俺は一人で、書斎の片付けだ。
真新しい台所の使い勝手は上々だ。まだ多少慣れない点はあるようだが。
母子の仲良く料理した、簡単な食事で夕食。
和やかであった。が、俺は少々緊張。
引越し直後に旅行に出る妻。しきりと申し訳ながっていた。
日にちのあることだから、仕方がない。
というより、めったにない機会なのだから、楽しんできてほしい。
京都・奈良と、女の一人旅には趣のある土地だろう。
春の花の咲き始めた社寺は、どんなにか美しいことだろう!
たくさんの写真を撮ってきてくれるように、妻に頼んだ。
それを見ながら、妻の旅を疑似体験したい。
いつか二人で、古都の旅をしたいものだ。
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