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(後付) 妻の土産話からいくつか。 京都・奈良の寺院では内部の撮影が禁止されている。よって、仏像の写真などはない。 しかし、よく晴れた春の空の下、神社仏閣の佇まいはそれだけでも美しい。 旅愁をかられるものであった。 三十三間堂の堂々としたたたずまい。 内部に入ると、無数の観音像が迎えてくれるという。 圧倒され、理由のわからない涙が出そうだった、と妻が言った。 今回の旅行での妻の一押しの場所である。 そこから、祇園に向かって歩いた。近そうだったので、バスは使わなかった。それはたいへんな誤りであった、と八坂神社についたとき思ったそうだ。 八坂神社で引いたおみくじは・・・「凶」。 「もう、人生初めてでなー。びっくりしたわー」と妻が笑う。 ショックは受けていなかったようである。よかろう。 「凶より悪くなることはないから、むしろいいんだよ」と言うと、 「あーそうなんー」と、初めて知ったような顔をする。 たびさきで 凶をひく妹 春かすみ(苦笑) 祇園の小路ではお稽古に向かうのか、普段着着物に日本髪の舞妓さん(?)が小走りに歩いていたとか。 珍しく思ったか、写真におさめてあった。 B嬢に教わった「祇をん 川富味」にて、京のおばんざいの昼食。 高級料亭のようなたたずまい、美しい和服の女将さん、髪を剃った板前衆、白木のカウンターテーブルに、妻はひるんだようであった。 「すげーんだよ!」という形容で興奮気味に説明してくれた。 高そうなイメージとは裏腹に、値段は良心的であった。 出し巻き玉子と、白味噌の甘い汁物が絶品であったとか。唾のあふれてくる。うらやましい。 絶対に、絶対に、今度は一緒にそこに行こうと、俺から約束を申し出た。 それから、妻の二押しの場所。 京都からは離れるが、浄瑠璃寺。 こじんまりとした可愛らしい寺であった。 参道の両脇には馬酔木の花が盛りに咲いている。こんな地味な花が人を誘うように、誇らしげに見えるとは! これもやはり、こじんまりとした三重塔がある。風雨にさらされた朱色がいい具合に渋い。 「鄙びた感じでなー。すごく落ち着くお寺だったんやけどー。時間がなかったから、ちょびっとだけ覗いてきたー」と妻は残念そうであった。 八坂神社の朱の大門。 庭池に映える黄金の金閣。 北野天満宮の、色とりどりの布を掛けられた小さな牛の石像。 龍安寺の静寂なる石庭は、沢山の観光客がいながらも、その幽玄は一向に変わりのない。 壮大な二条城。 花桃と新緑に彩られた朱の三重塔。 全てが美しい春の青空に映えて、美しい。 京都・・・日本人ならば、憧れと旅愁を掻き立てられずには居られない街である。 翌日に少しだけ廻った奈良は、鹿だらけだったとか。いかにも妻らしいぽーっとした感想である。 「鹿の毛って、固いんだよー」とか。 三輪山の神の使いの鹿。県庁の敷地内にも堂々と出入りをしていた、とわざわざ写真を撮ってきていた。 目の付けどころが違うな。 京都・奈良の話ばかりである。 大阪のホテルの様子や、何より大阪の友達の結婚パーティはどうだったのか、と思う。 「再婚同士だから、食事会みたいなもので、気軽だったよ。嬉しそうだった」と一言。 ホテルは、最寄の駅の出口を間違えて、探し回ったが、無事到着できたそうな。 メインのところがほとんど感嘆のない妻である。