正午ころよりしとしとと雨の降る。
このところの春霞・・・と風流には言えぬ、大量の花粉や黄沙でかすんだ風景も、雨に洗われた。
新緑色。萌黄色。
遠くの銀嶺もまたすっきりと、明るい雨空に立つ。
街も瑞々しく濡れていた。
明日に何があるのか?
未来のことはわからない。本当は、明日も未来も空っぽなのだ。
人は空っぽの、真っ白な中に、何かを見出そうとする。
それが、希望であるのか。絶望であるのか。
どちらを見るかで、心は天と地の開きがある。
絶望しか見えない行く先は、「明日」や「未来」といった言葉では到底語れない、何か悲惨なものである。
俺の明日ももちろん、何もない。
が、何かが待っている気がする。うきうき、と。
何もないことを楽しみにする。それが「希望」の本意なのかもしれない。
明日を越える今日はない。
PR