冷たい雨で始まった週。
時折、音を立てて大粒の雨の降る、冬の走りを思わせる一日であった。
仕事忙しく、息つく暇のないこと。煙草を吸いに行くいとまもなかった。
肉体は疲れた。
が、精神は上々である。一日をやり遂げた爽快な疲れであった。
忙しいのは、いろいろなことを考えないですむのが良い。考えてしまうときは忙しくても、考えてしまうのだが・・・。それだけ精神が上向きである、ということだろう。
妻は、俺のやったDVDに、今のところ夢中である。
一人遅れた夕食の常の話題は、そのドラマの話である。
十年ひと昔・・・とはよく言ったもの。現在よりも少しだけゆっくりしていた時代の、ドラマの設定に、己のその頃を重ねて、懐かしむ。それも歳を重ねつつあることの楽しみか。
濡れたアスファルトが黒く光っている。乾くこともなく。地面の冷たさを知らせている。
また雨が落ちてきた。
一人の書斎は冷え冷えとしている。丸いやわらかな体の横たわる、温かい寝床が恋しくなった。
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