気を抜いていたら早、11月になってしまっていた。
しばらく日記をつけることから遠ざかっていたゆえ、PCに向かうと書くべき言葉がうまく思い浮かばない。
曇り空。時折冷たい雨が思い出したように降る。晩秋の北陸の天候である。
朝いちばんに通院。
最近の俺には、主治医に語るべき激しいエピソードがない。家庭と仕事の充実は、仕事が充実している分、家庭の生活は犠牲にしていると言えよう。誰しも家庭と仕事の両方に満足がいくように生活しているわけではない。そう思えば、俺の生活の充足度は、社会人として過ごす多くの男の中でも、平均的であると思う。
主治医も俺の様子の安定しているのを見て取ったのだろう。
処方に変化はなし。
その後、職場に顔を出し、しばらく仕事。
お客さんは一様に寒さを訴える。ちゃんと空調が整えられているはずなのにな、と思う。
窓の外は冷たい雨が細く降っていた。木々の葉は、半ば落ち果てたものもある。真っ赤に紅葉した葉が雨に濡れて鮮やかに際立つ。そして、それは寒さも際立たせる。
なるほど、窓の外を眺めれば、例え温かい部屋にいたとしても、寒さを感じるであろう。そんな光景が広がっている。
帰宅後。我が家もこたつを出すことに決めた。
行動は早い。普段使うことの少なかった和室に掃除機をかけ、やぐらを出す。
やぐらの継ぎ足がひとつどこかへ消えており戸惑ったが、片づけてあった引出しの奥から出てきた。妻が何度もそこは探ったのに、と言い、探し物をしているとよくこういう事態が起こる、と不思議がっていた。同感である。
こたつ布団にマット、毛布は滞りなく、収納したはずの場所から見つかった。当然と言えば当然。
こんなことを書くと、我が家の片付きようが極めて不良であるように聞こえるだろう。妻に知られたら叱られてしまう。
弁護するようだが、我が家はそれほど混沌状態ではない。
こたつを出すと、部屋がそれだけで温かくなる。
娘を胸に抱いて、寝ころんでいたら、うたたねをしてしまった。妻に揺すられて慌てて起き上った。
驚いたような顔をしていると、妻に笑われた。
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