梅雨明け宣言が出た。
太陽はますます元気である。早朝より30度越えの気温。暑さは梅雨時とは種類が変わった。カッと焼け付けるようだ。
朝一番で、精神科に通院。
腎臓に癌を持ったことを告げた。主治医は「それは・・・重いですねー」と絶句した。
求められるままに、簡単に病状について説明した。
精神科医の常で、共感的、同情的に話をきいてくれ、穏やかな励まし(?)を貰った。語り口に安堵させられた。
君が悔やんだように「なんではるだけが、と思うよ」という言葉を思い出す。
俺の、そう多くはない知人がみなそう言って、俺を惜しんでくれる。今日は精神科の主治医にまで。
ありがたいと思う。
つまらない俺と、今でも思わないではない毎日を過ごしているが、その俺にさえ価値を認めてくれる人がいくらかいる、と改めて思い知る。彼らの想いに報いるためにも、癌を克服し、再び俺として彼らに働きかけることができるようにしたいと思った。
今夜は望月が、いつにも増して美しく輝く。
夜の底はまだ、熱気を孕んで冷めることを知らない。
花火に興じる若者の楽しげな声が、熱い夜風に乗ってここまで聞こえてくる。
優しい金色の円盤のもと、それぞれの喜び、それぞれの哀しみ・・・始まったばかりの夏の夜の猥雑な熱気に取り込まれて、ざわざわと蠢いている。
巡る感情はどこから来るのか。脳の描き出す鮮やかな幻影。
PR