猛暑日。体温に近い気温であった。
元気なのは、ひまわりと蝉だけである。みな、暑さにやられた犬のように喘ぎながら、一日をやり過ごすようであった。
燃える太陽の夏。
今日は立ち仕事。背後に病魔を抱えていると思うと、何やら背中に圧痛があるような気になる。俺は気のせいに弱いのである。
それでなくても、慢性の腰痛に苦しんでいるのだ。圧痛なのか、腰痛なのかようわからん。
「他人の治療をしている場合じゃないのよ、自分が治療しなくては!」という言葉を思い出した。含み笑いが出る。
先輩に「いいことあったんやろ?」とニヤニヤされた。
いいことなど・・・病気を得たのに何を言うのだろう?と思う。先輩ならではの、ある種危険でもありうるボケ具合にも笑わされた。
もちろん、先輩の意味するような、色っぽい話など皆無である。妻と愛し合ってもおらん。というか、その気にはさすがになれんわい。
昨夜のメッセを反芻。謎のフレーズの意味がやっとわかった。
俺は恋はもうしないだろう、と先回の恋を失った時に思った。
しかし、また恋をした。それは恋といっていいのか・・・。性別を超えたもっと人間的な好意の感情ではある。いわゆる恋愛とは形が微妙に違うが、広義ではその言葉に含まれるのではないかと思う。
より尊い気持ちが俺の中に芽生えたのではないだろうか。
昨夜の、血のような赤い月はまた、今日は違った姿を見せるだろう。様は変われども、月は月。
そういう話だ。
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