12月だ。早い。
師も走るというから、俺も走らねばならんか。いつも走っておるが・・・。
やさしい彩の青空。初冬の青空はなぜ、胸締め付けられるような切ない色にみえるのだろう?
鈍い色彩の、ひと色の季節が訪れる前の感傷か。
帰り道。何故かの、雪前の夜間道路工事に行き当たる。
気の短い俺は車に乗れば、ますます気が短くなる。待っているのは嫌いだ。
夜更けにもかかわらず長い車列の続くのに、俺は辟易した。
中途の道に入り、ひとつ筋を遠回りして帰ることにした。
いつも通る道よりも少し静かな界隈を抜ける道。幹線道路には違いなく、交通もほどほどにある。
信号待ちをした向かい側、ハザードをつけて止まる車群に気がついた。
学習塾に子弟を迎えにきた保護者の車らしい。いかにも車社会の田舎ならでは。
それにしても、この時間まで勉強とは!
また、この多さの学生が塾通いしているとは!
行き過ぎる間、車内のひとを見遣る。
ぼんやりと前を眺めながら、子の出を待っている母親がいた。
君もあのように一途に待っているのですか?
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