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鬱病など精神疾患の病歴があるのは、やはり・・・他人には気をつかわれるのであるな、と。
そのようなことを知らされた。

それは仕方のないことで、わかりきっていたことではあるけれど。
近しいひと、病気をよく理解しているひと、ですら一般人は気を使ってしまうのだ。
一般人と書いたけれど、我々精神疾患者が異常人なわけではない。

鬱病なんか!
糖尿病や高血圧と同じくらいありふれた病気なのだ。
糖尿病患者に気を使うか?
高血圧患者を特別な目でみるか?

ま、俺は入院歴がないだけマシかもしれん。


一度言ったことを曲げるのは、ずるい。
俺の中での小さな違和感はずっと成長を繰り返し、今では不信感に近づいている。
もういいや、と思う気持ちが芽生え始めた。
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(後付)
俺は最近パソコン(窓機)に触れられなかったのにはわけがある。
妻がオークションにはまっているからである。
パッチワーク用のハギレなどをいくつもいくつも入札しては、パソコンの前から動かない。
オークションでは実際の生地の様子などわからないのではないかと、俺は思うのだが。妻は生地の種類とブランド(?)でわかるらしい。
市価よりいくらか得なのだという。

そして落札した商品が毎日のようにメール便で届いている様子である。
来るたびに中をあけては歓声を挙げ、喜んでいるのを眺める俺である。ま、悪いものではない。

大した趣味もない俺から見れば、妻の楽しみは羨ましい限りだ。
それにしても、小さめのベッドカバーとやらが出来上がっていないのに、そんなにハギレを集めてどうするつもりなのだろう。
妻が言うには、これくらいのハギレならば、もう一つベッドカバーを作ればすっかり無くなってしまう、とか。
娘がまだベッドを使っていないのに、ベッドカバーはいくつも要らないと思う。洗い換えのためか?

ベッドカバーばかり作らないで、小物や別なものを作ってはどうか、とアドバイス。
「小物はすぐ(作業が)終わってしまうやん。つまらんのやもんー」とか答える。
「マットは、作ったものが踏まれるのはヤやしー」とも言う。
「タペストリーは飾るほどの腕ちゃうしなー」と小首をかしげる。

だから、ベッドカバーなのか・・・。笑ってしまう。
なんか・・・、可愛かった。
(後付)
土曜日。爽やかな青空が広がったが、強風である。
午前中は仕事があったので、午後より通院。
acathisiaかと思われた脚の違和感は既にない。頭脳に影響を及ぼすクスリのさじ加減の、難しさ、恐ろしさを自ら体験する出来事であった。

そういう体験は初めてではないのが哀しいところであるが。
以前など手に振戦があった。
頻繁ではなかったので放置していたら、仕事中に突然来たった。ブレードがブチリと切れてしまい、大変なことになるところであった。幸い大事には至らなかったのだが。
即、クスリを変えたのであった。

眠剤が溜まり始めたゆえ、その処方はなし。
他に処方内容に変化はない。


気分も上々であるし、寛解に向かっている確信がある。
嬉しいことだ。

晴天。風が強そうだが、窓辺の日向などはいい気持ちであった。
他人のミスをかぶり、たいそう忙しい一日であった。

娘も全日保育が始まった。給食のおかずがあるので、白飯だけを弁当箱につめて登園する。
弁当箱はクマの柄で、お気に入りだ。嬉しくて仕方ないらしい。
弁当を残すことはない。
行き渋りなども全くない。
「今日は何するんか?」などと毎朝、妻に幼稚園の行事予定を確認しているほどである。
馴染みやすい性格で、俺たちは喜んでいる。


他人の濃い話を聞きすぎた所為か、非常に精神的にやられた。その人の経験を追体験してしまい、疲れた。


満月の中天に懸かる。
晴れの続いた所為か、くっきりと美しい。
天体の美しさに癒された。

   ひとの世の アレもコレも 望月の下

肌寒いうす曇。
また天気が今夜から崩れ始めるらしい。

未明の帰宅で、朝寝坊を楽しんだ。
義母の居たうちの最後の頃からだが、妻はパッチワークを始めた。
パッチワークキルトと正式には言うそうだが、妻のそれは本に載っているような工芸芸術的なものではない。
正方形の布を繋げていくだけの簡素なものである。


なかなか優雅な趣味のように聞こえるが、そうでもない。
なぜなら、妻はストレスが溜まり始めると針を持つからだ。
以前、俺の仕事が今よりもっと忙しかったとき、独りきりの部屋で妻はパッチワークをして時間を過ごした。
子供ができないと悩んでいたあの頃、妻はやはり布きれを繋いでいた。黙って延々と繋いでいく姿は鬼気迫るものがあった。
今回は義母とのことがストレスになったのだろう。

以前と違って、楽しそうにしているし問題はなさそうである。ここ3日ほどの間で、小さめの壁掛けが出来上がった。
「やり始めると面白くて、やめられんのー」と笑いながら、また正方形の布を繋いでいる。
今度は何ができるのか訊いたら、「一応ベッドカバー。でもサイズがちょっと小さめやよ」と答えた。
小さめの作品が多いのは、ストレスが小さかったからなのか、久しぶりで慣らしのためなのか。わからない。


単なる趣味としてパッチワークキルトを楽しんでいるように、願っている。
これからも楽しんで布を繋げられるように、祈っている。
(後付)
麗らかに晴れた一日。ただ風は冷たい。
このところの雨と風で、桜も3割ほど散った。散り急ぎの美しさが、俺は好きだ。


朝通院のこと。
気持ちも充分で、やる気に遜色はない。上々といったところの病状である。
このまま寛解してくれればいいのだが。根拠はないが、そうなりそうな予感がする。

脚が落ち着かないというか、ふくらはぎが張るようで、少々しんどいなと思っていたことを主治医に打ち明けた。
acathisiaなのか?
前回エビリファイを増やされたのがいけなかったのか。今回少し減らされた。
俺の処方は以下の通りである。

ルボックス錠50㎎ 1日2回 朝・夕 →
エビリファイ錠3㎎ 1日1回 夕 ↓
メイラックス錠1㎎ 1日1回 朝 ↑
ガスモチン錠5㎎ 1日3回 朝・昼・夕→
サイレース錠2㎎ 1日1回 就寝前 →
頓服でレキソタン錠5㎎

公開してもしなくても、意味はないデータなのだが。
旧ブログでは、鬱病の医師など世間体が悪いから、大々的には公開したことがなかった。それに気づいたゆえ、今回公開してみた。

君が驚くほどではない量だろう?
なければやっぱり困るのだろうけど、飲むのが自然な行為になっているから、もう食後のデザートみたいな感覚なのである。
レキソタンは久しく飲んでいない。落ち込みの激しいときはしばらく経験していないから。
メイラックスをのんでいるからといって、不安感や緊張に苛まれているわけではない。エビリファイの減らされた分を補う形なのだと思う。
ちなみにエビリファイというのは、ご気分を落ち着かせるお薬だ。気分の波を平常にする薬と思いたまえ。


今日は福井の春祭りだとかで、時代行列があるらしい。
繁華街はせわしげで、何処からと思うほどの人だかりが正午前から現れた。
賑やかな人だかりには背を向けて、俺は城の堀の桜浜を覗き込み、きれいだなと思いながらいた。

数時間後には、ここにいるみなが桜には背を向けて、賑やかで華やかな行列に目を向けていることだろう。


夜中は仕事ができて、出勤した。正直眠かった。
昨日の幼稚園の始業式、および今日の登園で、娘もたいそう疲れているのだろう。
早めに寝付いた。
俺たちの寝室の畳コーナーで、布団の隅っこに寄って眠っている。壁にぴったり寄り添って眠っている。

子供は狭いところや隅が好きだが、何故なんだろう。
子宮の記憶か?

あどけない寝顔が可愛らしい。


入園式を入れても3日しか、登園していないのに。娘の中には何かが芽生えつつある。
あみださま・しんらんさま。
入園式でもらった親鸞聖人の童子姿の人形に、娘は毎朝「しんらんさま、おはよう」と挨拶する。幼稚園から帰ると「しんらんさま、ただいま」と挨拶するそうだ。
幼稚園の玄関にある像にそれらの挨拶をする習慣付けがされているそうで、家でも実践しているわけだ。
既に、といおうか。
子供の心は純粋である。何もかもそのまま受け入れられる。
娘の心には「しんらんさま」が宿り始めている。「あみださま」がいつも見守ってくださることも。

「信順」という言葉がある。
信仰のない俺は何を信じ、何に従うのだろう?
良心・自尊心・責任感・愛情・・・抽象的な言葉が思い浮かぶ。
明らかな対象のある娘が羨ましくもある。

いや・・・、ひとを信じ、信じる自分の気持ちに従いたいと思う。
恋愛処方箋なるものがyahoo! Japanに貼ってあった。
はしたなくも診断してみた。
その結果である。

Yahoo!パートナー 恋愛処方箋 仕事やり過ぎ症
恋愛診断 恋愛処方箋  


図らずもがなの結果である。
しかし、この通りしたら部長に殺される。何より仕事にならんわい(爆)。

ちなみに、こんな診断をしたからといって、妻に満足していないわけでもない。浮気や不倫がしたいわけでもない。
何となく・・・自分の年齢に対する恋愛ポテンシャルを疑ってみたかった、とでもいおうか。
要するに、歳を重ねることについての悪あがき&おふざけ。
新しい家、新しい寝室、爽やかな目覚め。
どうせならば、お姫様のキスでも貰って目覚めたいものだ。
しかしそうは問屋がおろさねぇ。
なぜならば、俺の起床は4時だからである。笑ってしまうだろう?
どんな姫君でもまだ、夢の中の時間だ。ばーさんの姫君以外は、な。
俺の眠り姫は言わずもがな。


鬱病特有の早朝覚醒かとも思うが・・・。中途覚醒はない。寝つきも目覚めも上々である。
それになんと!、最近の俺は11時過ぎると眠気が差してくる。
ま、健康的なサーカディアン・リズムの持ち主と化したわけだ。
さすがに11時には寝ないのだが・・・。

当直などしているととても困る。
11時も半ば過ぎになると、頭の中では「蛍の光」が流れ始め「またのご来店を・・・」などとやっておる。12時近くになると、シャッターがガラガラと閉まり始める。
シャッターをガンガン叩きながら「まだ中では起きているんだろー!あけてくれや!!」と怒鳴るのだが、俺の頭脳は公務員体制とでもいうのか、時間通りに閉店してしまう。

俺の当直しているときは、夜中に来院しない方がいい。
疲れた感じの医者が・・・というより、メインコンピュータの落ちた医者が出てくるぞ。
俺の当直している、早朝まだ明けずの時間帯に来院するといい。
午前4時の、医者の一番不機嫌な時間帯にも関わらず、元気はつらつ、何かヤバイもんやってんじゃねぇか、って感じの医者が現れる。
「どうなさいました?♪」ってな。

何やら業界から異端視されそうであるな・・・。


そういうわけで、お姫様のキスで目覚められない。ちょっと悔しい。
(後付)
麗らかな美しい春の一日。
花見に出かけた。妻と娘と俺と、義母とで。この句読点の付け方に俺の意識が入っていると思われ。

足羽川の堤はサクラ並木で花のトンネルとなる。
ひとには知られていないが、日本一の長さを誇るサクラの堤なのである。
冷える日もあったゆえ、花は5分咲き、といったところか。
それでも、薄いピンク色の霞掛かりたる堤の美しさ。幻想的な白昼夢の世界である。

sakura01.JPGsakura02.JPG青空、サクラ、川面に反射する陽光。誰もが微笑んでそぞろ歩く。

4年も前になるだろうか・・・足羽川の南の堤防が切れて、大水害になった。
街並みは既に元通りだが、河はそうはいかない。
橋こそかけ替わり、何でもないように風景に溶け込んでいるが、河川敷ではまだまだ工事が続いているのだ。
美しい桜並木の片隅にどうしても目に入ってしまう工事の現場。水害の爪あと。
あのときの悔しさ、やるせなさ。
暑い夏に、もくもくと泥と闘っていた人々を思い出させる。

足羽川の河川敷の屋台で、娘に綿菓子を買ってやった。
手と口の周りを砂糖だらけにして、全部食ってしまった。シナモロールの袋は後生大事に母親に渡して、しまっておいてくれと言った。


この花見は義母が連れて行けといったのであったが、楽しかった。
やっと、というべきか、帰る義母を駅まで送っていった。
土産に、銘酒「黒龍」を持たせた。
俺の大のお気に入りの酒である。口当たりがよく白ワインのようで、一升くらいは軽く飲めそうな良い酒である。
「こんな重いもの・・・」と義母は言いかけたが「ありがとうね」とか言い直しておった。
義母も俺に気を使うようになったらしい。お互いに同じようなレベルにあるな、と苦笑。
特急電車に乗りこむ義母を微笑んで見送ることができた。

妻も自分の母親とはいえ、家事のことなど相当ストレスを感じていたようである。
「やっと帰ったわー」と溜息交じりの感慨を述べた。
俺も激しく同意である。秘密を共有し、クスリと笑いあった。

それから、家族3人水入らずの花見をしに、別な花見スポットへ出かけた。
今度は城の桜である。
d855ee2f.jpgなぜ城には桜が似合うのだろう。
そして、城の桜はなぜこんなにも妖しいのだろう。
「桜の下には死体が埋まっている」とか、城の桜の下には手打ちにされた腰元の遺骸が埋まっていそうである。
リアリストな俺にそんな想像をさせるところも、城と歴史のロマンなのだろうか。
妻に話したら、「気味の悪いことばかり思いつくんやでー」と眉をひそめられた。

またまた娘に、屋台でブドウ飴を買わされた。ひとつ味見させてもらったら、カリカリして旨かった。



ちなみにこの城は、往年の角川映画ファンにはおなじみの城である。
「戦国自衛隊」。長尾景虎、後の上杉謙信が主を誅して、天守閣からヘリコプターに乗って去るシーン。あれはこの天守閣で撮影されたそうだ。

美しい春の青空の広がる一日であった。
絶好の入園式日和。
新しい制服に身を包んだ娘を連れて出かけた。父母と祖母で。
内心、家族総出のようなものだと思い、そんなやからが他にもいるのだろうかと疑問に思った。要するに恥ずかしかった。
ま、仲良さげな家族連れに見えるだろうことは、悪いわけではない。内情がどうであろうと。

とはいえ、さほど内情と乖離しているわけではない。俺と義母の関係も修復されているからして。
気にすることないと思い、言い聞かせてきた。
ごちゃごちゃ言い連ねているあたりが、俺の気持ちの整理のつきにくさを物語っている。

礼拝つきの入園式。仏教色の強さに少々驚く。
しかし、何らかの規律・教え・哲学などなどを、心の中に養えるのはいいことだろう。
沢山の新入園児の中、大柄な娘はよく目立った。
神妙な顔をして、緊張気味に発っている娘の姿に成長を見た。
妻もその姿を愛しく思ったらしく、俺と目を合わせて、微笑んだ。
義母は横で鼻をすすりあげてばかりいた。花粉症だそうだ。そればかりとは言えないのではないか、と負けず嫌いの性格が良く似ている俺は思ったのだが。どうだろう?

kindergarten.JPGトリイ・ユキの制服を着た娘。おしゃれな娘は、ご満悦であった。
君の希望通り、公開しましたよ♪










ここまで育ててくれた妻に感謝の気持ちが自然に湧く。ありがとう。

俺の新居の間取り公開(笑)。
旧HPで文章では詳しく述べた。読み返して、わかりにくいと自分でも思ったゆえ。
図示されれば一目瞭然。
京都の写真貼りが楽しかったので、味をしめたともいう。


madori_1.JPG一階部分。
俺の書斎・本の間(?)のあるところ。
つまりPCでいろいろと悪いことや良からぬことをするところである。
(たまに有益なこともするのだがw)





madori_2.JPG二階部分。
ほぼ寝るだけのスペース。だが、とても重要(意味深)。








俺の家を豪邸だと思っているようだが、そうでもないだろう?
6LDKと聞くと広そうだが、実際はさほどでもないのだ。

外観は、カフェかと噂されたモダンフォルムであるが、保守的な土地柄を鑑みるに、都市生活を送る人たちには普通の家であろう。
ただ、土地の建築会社・塗装業者など業界では有名な建築物になっているとか。
ここいらでは、在来工法で建てたことのなかったタイプの家であり、外壁の塗装もあまりないタイプのものだから、だそうな。
万が一、このブログを見られたら、ばれてしまう。妄言を吐いてきたから、俺の社会的地位が揺らぐ(←大げさw)。
よって、外観の公開はなし、である。
片付けもずいぶん進んだ。
不要物の処分に出かけた。

要らなくなった服、着なくなった(着られなくなった?)服を売りに行った。
家族三人分であるから、結構あった。
中にはシミのあるものもあった。
売れるのか、と訊いたら、妻は「店に並ばないものは、輸出したり、刻んで別なものにリサイクルできるんやってー」と教えてくれた。
なるほど。そのような環境に優しい店があるとは知らなんだ。
二束三文だろうと思っていたが、5,000円余りになった。

それから妻の読まなくなった本を始末。
今度はブックオフである。
俺は本を売るなんてできないから、妻の行動には内心驚愕であるが・・・。
42冊で2,000円ほどになった。

結構金になるものだな、と学習した一日であった。
(後付)
妻がB嬢に電話しての感想。
すごく優しそうな話し口で、可愛らしい、女らしい声であった、と。
妻は緊張していくらも話せなかったと、残念がっていた。
せっかくだから、ゆっくりでもいい、納得いくまで話してくればよかったのに、と俺は思ったのだが。

「あたしの声って低いし、変やがー。長いこと田舎から出たことないしー。恥ずかしかったんやってー」と困った顔をして、妻が答えた。


ちっとも変じゃないよ。訛り具合が可愛いよ。
俺の友達は誰も、君のこと山出し女なんて思わないはず。
話題の有無はともかく、話をしたいといくらかは思っているんじゃないかな。

君の声は可愛らしかった。幾分早口で。緊張していたのか、驚いたのか、そんな様子が聞き取れた。
やはり都会のひと・・・垢抜けした印象の話し振りであった。

君の声はきっと、はんなりと柔らかい京ことばなんだろう。
ちらっと毒のある、小股の切れ上がったいい女風なんだろうな。

みなそれぞれ。俺の愛する女たちの声は、この上もなく甘美だ。

(後付)
妻の土産話からいくつか。

京都・奈良の寺院では内部の撮影が禁止されている。よって、仏像の写真などはない。
しかし、よく晴れた春の空の下、神社仏閣の佇まいはそれだけでも美しい。
旅愁をかられるものであった。

三十三間堂の堂々としたたたずまい。
内部に入ると、無数の観音像が迎えてくれるという。
圧倒され、理由のわからない涙が出そうだった、と妻が言った。
今回の旅行での妻の一押しの場所である。

そこから、祇園に向かって歩いた。近そうだったので、バスは使わなかった。それはたいへんな誤りであった、と八坂神社についたとき思ったそうだ。
八坂神社で引いたおみくじは・・・「凶」。
「もう、人生初めてでなー。びっくりしたわー」と妻が笑う。
ショックは受けていなかったようである。よかろう。
「凶より悪くなることはないから、むしろいいんだよ」と言うと、
「あーそうなんー」と、初めて知ったような顔をする。

  たびさきで 凶をひく妹 春かすみ(苦笑)
bd2bb549.jpg





祇園の小路ではお稽古に向かうのか、普段着着物に日本髪の舞妓さん(?)が小走りに歩いていたとか。
珍しく思ったか、写真におさめてあった。

B嬢に教わった「祇をん 川富味」にて、京のおばんざいの昼食。
高級料亭のようなたたずまい、美しい和服の女将さん、髪を剃った板前衆、白木のカウンターテーブルに、妻はひるんだようであった。
「すげーんだよ!」という形容で興奮気味に説明してくれた。
高そうなイメージとは裏腹に、値段は良心的であった。
出し巻き玉子と、白味噌の甘い汁物が絶品であったとか。唾のあふれてくる。うらやましい。
絶対に、絶対に、今度は一緒にそこに行こうと、俺から約束を申し出た。
dc6d4a60.JPG









それから、妻の二押しの場所。
京都からは離れるが、浄瑠璃寺。
こじんまりとした可愛らしい寺であった。
参道の両脇には馬酔木の花が盛りに咲いている。こんな地味な花が人を誘うように、誇らしげに見えるとは!
932a0db2.JPG998080d8.JPG







これもやはり、こじんまりとした三重塔がある。風雨にさらされた朱色がいい具合に渋い。
「鄙びた感じでなー。すごく落ち着くお寺だったんやけどー。時間がなかったから、ちょびっとだけ覗いてきたー」と妻は残念そうであった。



5511d303.JPG八坂神社の朱の大門。





bcc7ce18.JPG庭池に映える黄金の金閣。







fe0f899f.JPG北野天満宮の、色とりどりの布を掛けられた小さな牛の石像。







677c6b74.JPG龍安寺の静寂なる石庭は、沢山の観光客がいながらも、その幽玄は一向に変わりのない。






6fd8437c.JPG壮大な二条城。










dcb64a86.JPG花桃と新緑に彩られた朱の三重塔。










全てが美しい春の青空に映えて、美しい。

京都・・・日本人ならば、憧れと旅愁を掻き立てられずには居られない街である。


翌日に少しだけ廻った奈良は、鹿だらけだったとか。いかにも妻らしいぽーっとした感想である。
「鹿の毛って、固いんだよー」とか。
三輪山の神の使いの鹿。県庁の敷地内にも堂々と出入りをしていた、とわざわざ写真を撮ってきていた。
目の付けどころが違うな。



京都・奈良の話ばかりである。
大阪のホテルの様子や、何より大阪の友達の結婚パーティはどうだったのか、と思う。
「再婚同士だから、食事会みたいなもので、気軽だったよ。嬉しそうだった」と一言。
ホテルは、最寄の駅の出口を間違えて、探し回ったが、無事到着できたそうな。

メインのところがほとんど感嘆のない妻である。

(後付)
妻は一日目の京都見物を終えて、B嬢にお礼の電話をしたそうである。
俺がB嬢に礼を言うからとしておいたのだが、妻はどうしてもとB嬢の連絡先を訊いていったのだった。
口の重い妻がうまく礼を言えたのか、気になる。
俺からも礼のメールを入れておいた。
義母がいる今、妻以外の女性に電話できないのだよ・・・そこのところ理解して欲しい(汗)。

B嬢には電話をしておきながら、俺にはしてこない妻。
どうよ?と思った。
友達から、旦那なんかに電話するわけない、と嘲笑われた。
そうか・・・とも思う。
・・・ちと寂しいんだよー!

連絡のないのが無事な知らせ、とも思って就寝。

(後付)
金曜日の俺は多忙である。
本日も遅めの帰りになった。遅めといっても、深夜ではない。
義母は俺の帰るなり「いつもこんなに遅いの?!」と、怒りとも驚きともとれない表情で訊いた。

義母は俺の仕事の事情を知っているはずなのだが。最愛の娘である俺の妻のこと、可愛い孫娘である俺の娘のことを想うと、口説いてしまうのかもしれない。
ちらっとむかついたが、上記のように思うことで完全に抑えることができる。

食べてきたのだが、義母が夕食を用意してくれていたのを食べる。
妻の味とは少々違うのだな。ほんの少し甘め。向こうの地酒に合う感じ、と思う辺りが左利きのゆえん。


義母とはあまり話すこともない。俺のことを無口だ、と義母は言った。
「そうですかねー?」と俺は相槌をうつ。義父が俺以上に口数が多いとは思えないが?と、内心思う。
疲れているからだろう、と義母は勝手に解釈してくれた。
まあ、そうでもある。一日ひとと話す仕事をしてくると、帰宅後はしゃべりたくないときもある。

話す話題が思いつかず。
娘のことなどが中心であったろうか。
届いていた幼稚園の制服を着せたとか。とてもよく似合って、しかもお嬢様みたいだった、と悦んでいた。
娘の幼稚園は私立である所為か、制服が上等なのだ。ユキ・トリイというデザイナーのブランドである。
帽子もかばんも、持ち物の全てが指定品だ。
金が掛かって仕方ないのだが。どうしたわけかこの土地では、公立の幼稚園は僻地(?)にしかないのだ。

義母が言う。妻が旅行中のつもりでここへ来たが、娘の入園式が見たいからそれまで滞在したい、と。
正直、いやである。
しかし、いやだとは言えない状況。
脳をフル稼働させて、機嫌を損ねず断る言い訳を考えたが、思いつかん。
承知しておいた。然るべくだ。

(後付)
ここ一週間の間、さまざまな出来事が次々に、俺に起こった。


まず引越し。
小荷物は、荷物を沢山積める(?)妻の車を使って、日を掛けてこまめに新居に運んでおいた。

新しく購入した家具・家電は既に、運び込まれている。
大きなテーブルセットが食事室に堂々と置かれている。
二階の寝室つきウォークインクローゼットには、半端婚礼家具のたんすが鈍く光って鎮座していた。
乾燥機能付き洗濯機はやはり、というべきか、今回は見送った。
薄型テレビだけを買った。
我が家も人並みのテレビ視聴環境が整ったわけである。
世界の亀山モデルである。
DVDとサラウンドシステムとのセットにして、専用テレビ台が付いている。
黒いテレビ台は漆器のような光沢を持ち、こまめに拭き掃除せねばならないが、美しい。

引越し業者に頼むべき物は、重くて大きな家具・家電ばかりだ。
3人の作業員がやってきた。チームのリーダーは女性である。残りの男たちは素直に彼女の指示に従うのだ。
彼女は何と、60キロはある金庫を一人で運ぶことができた。
俺は「女の人が・・・!」と感嘆した。男たちは「誰も(彼女を)女と思ってないですから」と冗談を言った。
気風の良い姐さんといった感じの女性であった。
手際の良さに感心している間に、作業は終わった。
小荷物を開け、片付け開始。

やがて、妻の母が到着。
ぐるりと見回って、新築の祝いの言葉を述べた。
まさか、嫌味は言わないだろうと予想していたが、祝いの言葉に少し驚いた。俺も軽く、感謝の言葉を述べた。
妻と義母と娘が、当座に入用の細々したものを買出しに出た。
俺は一人で、書斎の片付けだ。

真新しい台所の使い勝手は上々だ。まだ多少慣れない点はあるようだが。
母子の仲良く料理した、簡単な食事で夕食。
和やかであった。が、俺は少々緊張。


引越し直後に旅行に出る妻。しきりと申し訳ながっていた。
日にちのあることだから、仕方がない。
というより、めったにない機会なのだから、楽しんできてほしい。
京都・奈良と、女の一人旅には趣のある土地だろう。
春の花の咲き始めた社寺は、どんなにか美しいことだろう!

たくさんの写真を撮ってきてくれるように、妻に頼んだ。
それを見ながら、妻の旅を疑似体験したい。
いつか二人で、古都の旅をしたいものだ。

正午ころよりしとしとと雨の降る。
このところの春霞・・・と風流には言えぬ、大量の花粉や黄沙でかすんだ風景も、雨に洗われた。
新緑色。萌黄色。
遠くの銀嶺もまたすっきりと、明るい雨空に立つ。
街も瑞々しく濡れていた。


明日に何があるのか?
未来のことはわからない。本当は、明日も未来も空っぽなのだ。
人は空っぽの、真っ白な中に、何かを見出そうとする。
それが、希望であるのか。絶望であるのか。
どちらを見るかで、心は天と地の開きがある。
絶望しか見えない行く先は、「明日」や「未来」といった言葉では到底語れない、何か悲惨なものである。

俺の明日ももちろん、何もない。
が、何かが待っている気がする。うきうき、と。
何もないことを楽しみにする。それが「希望」の本意なのかもしれない。

明日を越える今日はない。
妻が旅行に行っている間。
引越しまもない新居に妻の母がやって来て、俺の不在の間の娘の面倒をみてくれることになっている。
ついで、かどうか・・・俺の朝食とか夕食も支度してくれるのだろう。

「あの男」と呼ばれ、蛇蝎のように嫌われていた以前を想うと、夢のような親切ぶりである。
ま、孫娘が可愛いだけかもしらんが。

義母の中では俺は既に、可愛い孫娘の父親であるからして。
気にすることはないのだ。
俺も以前ほど義母に構えることもなくなったように思う。

ただ、ただ・・・「好きな姑」とはまだ認識できないでいる。
友達の指摘によれば、一生「好きな姑」にはなりえないであろう、とのことである。慧眼なり。
俺もそうだと思う。

嫁姑問題には比べるまでもないが、婿姑問題も結構気を使うのだ。
このブログのタイトル。
Halle note。
なんだか、昔のアメリカの機密文書みたいで格好いいかな、と思ってつけた。
テンプレートもノートのような、白いあっさりしたものにしてみた。

閲覧者がほんの一握りの友達ばかり、だから。
秘密も秘密。

(3/16後付)
妻が旅行をする。おそらく初めての一人旅であろう。

妻の学生時代の友達が大阪にいるのだが、彼女がこのたび目出度く再婚をするとか。
その結婚祝いの小さなパーティに招かれたのだ。
せっかくだから前日に出かけて、京都など散策してはどうか、という話になったのだ。

宿泊は大阪。ホテルの予約は俺がネットでしてやった。
京都観光の様子は、夫婦でネットでいろいろ見て調べた。
金閣・銀閣・二条城・龍安寺といった、ベタベタなメジャー観光地だ。
妻はそれらさえ見学したことがないという。

食事場所のことをB嬢に、あつかましくも教えを請うた。親切に教えてくれた。
お得な情報なども教わった。感謝しきりである。


妻の実家は、俺の実家も同じようであるが、旅行を頻繁にする家庭ではなかったそうである。
そして、若くして結婚し、やはり旅行などをしない俺と暮らして、今日まで。
今更ながらに不憫であると思った。

別な想いでは、一人で妻を旅に出すことなど心配でならなかった俺が、ようも許せるようになったものだ。
嫉妬深い、心配性の、若い俺を思い出しては、苦く幼く思った。
そして、当たり前のように旅行に出す今の俺を、「成長したのだな・・・」と少しだけ誇らしく思った。

(3/9後付)
荷造りをしない俺に妻が呆れた。
俺は、数があるから分別と詰込に時間が必要なのだ、と言い訳をした。
全くの嘘である。

妻はこういうときだけ、俺が「すぐにでも発てる男」だということを思い出すのだ。
「先生は荷造りもへったくれもない人やん?いつも引越しのときは、箱に放り込むだけやったやろが?」などと、痛いところを突いてくるのだった。
妻と一緒に、書斎の始末を始めるはずだったが、娘が邪魔をして進まぬ。ゆえに、俺がまたまた独りで作業だ。

娘よ、さりげない味方をしてくれてありがとう♪

俺はそう思った。

妻の言いようを思い出して、軽く頭に来出した。
要る要らんはもうどうでもいいわい、という気持ちになった。
本棚に並んだ順番に箱詰めしてやった。すぐ済んだ。


金・土・日の何れかの宵には、子供を早く寝かして燃える夜を過ごす。それが俺の希望なのに。
不愉快な燃え方をしてどうするのだ。
妻に言い放ちたい気分であった。

(3/8後付)
週末の夜・・・と書くと、何やら艶めいているが。
妻に叱られた。
俺が自室の始末をちっとも始めないからだ。

俺の部屋には書籍が結構ある。
「本好き」というと上品な読書家のようだが、それとは違う。
「愛書家」といえば趣味の高いコレクターを思うが、それとも違う。
俺は、「本を捨てられない人」とでもいえばいいのか。買った本を捨てないのだ。
雑誌などはたまに廃品回収に出す。
それすらも、まるで恐ろしい犯罪でも犯しているような気分になる。そして隠れるように、深夜か早朝に出す。
とかく、本・書籍に対する異様な偏愛があるのだ。

そのようなわけで、本が大量なわけだが。
俺が「発て」と言われれば明日にも発てる男だということを、妻は忘れてしまったのだろうか?
ゆっくりやればいいではないか、と思う。

妻の監視つきで、早朝より荷造りを始めるのは嫌であった。
俺は夜なべで独り、荷造りをすることにした。


当座のところ要らないであろう本たちをより分ける。
より分けるには中身のチェックをしなくてはならない。タイトルだけみれば事足りるのだが万全を期して・・・期さなくてもよいのにそう言うのが、既に言い訳臭い。
だらだら整理をしているうちに眠くなった。
眠剤を使わずに眠れるとなったら、寝るに限る。

俺は中途半端なまま、荷造りをやめた。
妻のいる寝室に行けば、妻から「どうなったー?すんだんかー?」と尋ねられるだろう。すぐばれる嘘はつくべきではない。
俺は自室に横になり、本たちに囲まれながら、至福の眠りに就いたのだった。

(3/8後付)
朝方の店番。
店はそれほど忙しくなかった。正午にはちゃんと終わった。
得意先をぐるりと廻って、仕事し、終了。

精神科の予約を夕方に入れてある。ちょうどよい時間になった。
職場の帰りに寄った。


最近の俺は本当に調子が良い。寛解したのでは?とさえ思われる。
あまりに調子が良く、診察室でも微笑でしゃべり続けてしまった。
主治医も微笑み聞きながらも、怪しいと思ったのだろう。
いくつか躁転を疑っているような質問をされた。

ま、ドーパミンがバシバシ出ている感じは、自分でもする。苦笑。

相当変、というわけでもなく。
様子を見ましょうということで、処方内容には変わりなし。


俺の家の内覧会がこの週末に開催されている。
わかりにくい場所にある俺の家。
探し求めて来る人がいるのだろうかと、非常に疑問であった。
またその中から、本当の客になる人があるのだろうかと、甚だ疑問である。

妻の言うには、大きな道に看板が立ててあったし、のぼりがあったりで、近くに来ればわかるのではないか、とのこと。
午前中から、ちらほらと見に来る人がいたようだったそうな。
酔狂な、と思う。

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